OpenAI が「Forward Deployed Engineer(FDE)」の採用を公にし、Anthropic も「Applied AI / Solutions Engineer」を立ち上げ、Palantir はずっと前から FDE をビジネスの中核に据えてきました。"顧客の現場に張り付いて、自社プロダクトを顧客の業務に溶け込ませる役割" ── これが FDE です。
AI コンサルティング株式会社では、この FDE の働き方を「私たちが目指す顧客との関わり方」のひな型として位置づけています。本記事ではその輪郭をスケッチします。
FDE とは何ではないか
まず、FDE は「導入支援エンジニア」ではありません。「営業エンジニア」でもありません。顧客の現場業務を理解し、そこに最適なプロダクトの姿を、現場と一緒に "作りながら" 形にする"作り手" です。
- SE は仕様書を待ちます。FDE は仕様書を顧客と一緒に書きます。
- コンサルは資料を作ります。FDE は動くものを作ります。
- 営業は契約を取ります。FDE は契約後の "価値" を取ります。
なぜ AI 時代に FDE が効くのか
生成AIは、汎用的な技術です。だからこそ "この会社のこの業務" に当てはめる最後の一マイルが、極端に重要になります。Claude Code のような道具を持っていても、それを顧客の業務文脈に合わせて翻訳できる人がいないと、PoC で終わります。
"AIは魔法ではなく素材だ。素材を顧客の業務に編み込めるエンジニアが、これからの10年を決める。"
私たちが大事にしている3つの原則
1. まず動くものを出す
要件定義書ではなく、最初の打ち合わせから数日で動く Web デモを出します。Claude Code を使えば、業務シナリオ1つを動くデモにするのは半日〜数日です。"絵に描いた餅" の議論を 90% 減らせます。
2. 現場の言葉で会話する
経営層の意思決定言語、現場担当の業務言語、エンジニアの実装言語 ── この3つの間を往復翻訳できることが FDE の最大の武器です。私たちは"AIで何ができますか?"ではなく"明日の経営会議で、この KPI をどう動かしたいですか?" から会話を始めます。
3. 撤退条件を最初に決める
PoC が成功しないこともあります。だから "成功とは何か" を最初に定義します。3 週間後にこの指標が動かなかったら撤退する ── そう決めると、関係者全員が同じ方向を見られます。
"上善は水の如し" と FDE
当社のブランドフレーズである "上善は水の如し" は、まさに FDE の働き方の比喩でもあります。"水"は容器の形に従い、岩を避けて流れ、しかし最終的には岩を削っていきます。 顧客の業務に静かに溶け込みつつ、しかし確実に課題を解いていく ── そんな関わり方を、AI コンサルとして提供していきたいと思います。
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